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GPZ400R 中古エンジンを買った! 開けてみよ!!  ~その3~

さてエンジンを開けるからには、そのために必要なガスケット類など純正部品を取り寄せなければなりません。ざっと見繕ってさあ注文、となりましたが・・・

いや、すごい値段だ・・・昔散々エンジンの開け閉めなどしましたが「こんなにしたっけかなー」というのが正直な感想です。どうもそういうもんらしいです。純正部品の値段は年々上がる物のようで、それが積もり積もってこうなってしまうのです。んー、参った!!

でも部品があるだけでもまだいい、というのは言うまでもありません。GPZ400Rについて言えばピストン、ピストンリング、バルブ、バルブスプリング等の重要消耗部品がもう無いです。それでもこのバイクはゴム製品等日常的に必要な物はまだ揃う方だ、と個人的には思っているのですが、この先の事は分かりません・・・。「在庫僅少」などと表示されると相当焦るのは確かです。この業界、色々な車種で「リプロ品」を作って販売されている業者さんがいらっしゃいますが、これは本当に頭が下がりますね。ぜひGPZ400Rもよろしくお願いします!!(「お前がやれ」という声が聞こえてくるような気が・・・)

こういう状況を知れば最近一般にエンジンオーバーホールなぞはせずに程度の良い中古エンジンに載せ換える、という方法がとられる、という理由が良く分かってきます。新型車でレースやってる人もそういう人が多い、と聞いたこともあります。何しろエンジンオーバーホールに金がかかり過ぎる、あるいは不可能となってしまったのです。

しかしホントならこういう風潮も何とかしたいもんですよね。エンジンが現代人には分解修理不可能な発掘品、となってしまってはこれはまるで「風の谷のナウシカ」の世界、そこまで文明を退化させてしまっても良い物でしょうか???

なのでカワサキさんにもぜひお願いしたいのです。旧部品の供給にも今以上に力を入れて下さい、と。

新車を売りたい企業にとって、自社の過去製品を愛好するファンなどあるいは自分達の商売を邪魔する障壁としか思えないのかもしれません。しかしブランドにとって最も価値があり、そして最も得難い物、それは「歴史」ではないでしょうか? 自社の旧製品を嬉々として乗り回すこれらファンの存在がいかにその歴史の雄大さを物語り、いかにブランド価値を高めているか、ひいては日本工業全体のブランド価値を高めているか、という点に今一度着目して頂きたいのです。

利益に繋がらない厄介な事業だということは承知しております。しかし文化貢献も大企業に課せられた一つの使命には違いありません。そういう事をしない「守銭奴」を、世間は一流企業とみなしてはくれないのです。