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GPZ400R 中古エンジンを買った! 開けてみよ!!  ~その7~

このエンジンの「腰下」は、その以前の空冷系の基本設計を受け継いでいる、ということなので、物は試しにちょっとこんな事をやってみました・・・。

 

400Fクランク

このクランクシャフトは「GPZ400F」のもので、私の死蔵品です。これがばっちり「400R」のクランクケースに組み込めるのです! この空冷以来の一連の400シリーズは基本は共用しながらも何度かボア/ストロークが変更されていて、「400F」のストロークは42mm、と400Rの40.4mmより長いのです。ジャーナル径、ピン径、スプロケの丁数などは両者一緒で、こりゃ使えちゃいそうですよ。うほっ!!

もちろんこれを使うためにはそれ専用のピストン、あるいはコンロッドを作ってもらわなければなりませんが・・・いや待てよ、もっと手軽な方法も無くはないな、これは!・・・・等と、まあこういう妄想が始まると数秒後に必ずたどり着く「オチ」が実はありまして、それは「大金掛けてそんなことするよりGPZ600Rのエンジン載っけた方が早いし速いんじゃね?」というやつです。いやごもっとも、これがGPZ400Rのエンジンチュー二ングにまつわるミもフタもない真実なのです。

それでも面白そうなのでいつかやってみたいと思っているのです。改めてこの400Fクランクと400Rのとを並べて比べると、おっと、軸端のフライホイールを留めるねじ径が違いますねえ。これホントに使おうとするならもっと真剣に検証しなければだめそうです。で、よく見ると、あー、カムチェーンのスプロケットの幅が400Fの方が広いですよ。

400F&400Rクランク
細かい違いがチラホラ。
400F&400Rクランク
ここが変わってたのかー。

だんだんいやな雰囲気になってきました。カムチェーンのサイズが違うとなるとこれは厄介です。クランクのスプロケを切削して400Rサイズに薄くしたら・・・これは”浸炭焼入れ”された物でしょうから、硬くて切削は難儀でしょう。仮に出来たとしても、削ってしまうと表層の硬い部分が無くなって中の柔らかい部分が表出してしまい、それではマズいはずなのです。

逆に400Fのカムチェーンとカムシャフト側のスプロケを流用すれば・・・いやこれも「たまたま、幸運に」400Rと400Fのカムチェーンのコマ数(長さ)が一緒、でなければダメでしょう。そしてやっぱりそんな幸運は私に降ってはこないのです。この2車のコマ数は違います。(ヤフオク出品物の写真を1、2、3、4、・・・と数えてみた)こうなったら他車のカムチェーンで、400Rのコマ数で400Fの幅のやつを探し出すしか・・・・雲をつかむような話です。

― バルス ―