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GPZ400R 社外リヤショックを買う! ~その9~

さて次は「圧側減衰アジャスター」の番です。私のYSS MS456にはなんとゴージャスなことにこれが二つも付いています。通称「ダブルコンプ」というやつです(そう呼んでいるのは私だけかも)。

ダブルコンプ
これです。

いや、私はこのタイプ今まで一回も触った事がないです。これはショックを注文する前、YSSの3種類程あるグレードのうちどれにするか品定めをしている時のことです。使えもしない物を買っても・・・と思い、この「ダブルコンプ」をどう使うのかあれこれ考えるのですが、私にはどうしても分からずちんぷんかんぷんだったのです。

機能の説明はされています。「ストロークスピードが遅い時の圧側減衰調整は低速圧側アジャスター、速い時は高速圧側アジャスター」と。いや、これは分かります。が、どうしてもスーっと腹落ちしてきません。なぜこんなに分からないのかと考えると、「そもそもなんでこんなメカがつくられたのか」が分からないからだ、と気付きました。圧側アジャスターが1個だけの従来型、「シングルコンプ」では何か解決出来ない問題なり課題なりがあったからこそこういうメカが生まれたに違いないのですが、それを知りたいのです。それが分かれば使いこなし方も自ずと考え出せるというものでしょう。

それともう一つ、「伸側アジャスター」の悪しき先例がある通り、減衰アジャスターの名称は額面通り受け取ってもほんとに大丈夫なのか? という心配もありました。もし、低速、高速とは名ばかりで実はどちらかが低速も高速も効く、言わば「ベースライン調整用」だったりしたら・・・これを逆に勘違いしていじったりしたら確実にハマります。

ヒントはカタログにありました。「高速・低速の2スピードタイプと、低速調整のみのシングルスピードタイプをラインナップ・・・」。この文の行間を読めばダブルコンプの「低速圧側アジャスター」は、シングルコンプ型ショックの「圧側アジャスター」と同じ物、と読めます。さらに深読みすれば、シングルコンプの圧側アジャスターが「低速だけしか変わらない」というのも何だか不自然なので、「低速調整のみ」とは書いてあるけど、あくまで便宜上の呼び名でやはりこれは低速も高速も効くやつで、 ダブルコンプはこれに高速のみ効くアジャスターを追加した構成なのではないか??? という推測が成り立ちます。

シングルコンプ
シングルコンプの圧側アジャスター。確かに見た目はダブルコンプの「低速圧側」と同じです・・・

しかし公式文書から考えられる事はここまで、これはかなり不確かな推測に過ぎません。この思い込みで現物をいじり出すのは危険です。いよいよギブアップ、もうダブルコンプを買うのは止めようかとも思いましたが、その前にネット検索で調べてみました。

色々書いてありましたがそれらから何となく見えてきた事があります。多分、シングルコンプの圧側アジャスターには、高速域で強く立ち上がりすぎるという問題があった。高速域が強すぎるからとアジャスターを弱めれば今度は低速域がスカンスカンだ、と。だから高速域だけ開くリリーフバルブ的な物を別系統で追加して油圧を逃がした。ついでにその“リリーフっぷり”を調整できるアジャスターをそこに付けた、と。これがダブルコンプの正体ではないか? という結論を一応私的には得ました。そうだとしたら低速圧側アジャスターが高速域でも減衰力を出したとしてもそれはリリーフされて無効となるので、これは「低速のみのアジャスター」で、「高低速完全独立調整」と見なせる、となります。

あくまでネット検索なのでこれもやっぱり不確かなのは変わらないのですが・・・。こういう情報が製造メーカー側から出されていたらこれは確かだと言えるわけで、正直言ってこれはメーカーの情報提供不足ですね。難しい事を言い過ぎてもユーザーを混乱させる、という配慮なのは分かりますが、そもそもダブルコンプなど売っている物自体が複雑難解なので、その説明も難解になってしまうのは仕方ないのです。あきらめないでやって下さいと言いたいです。

忘れてましたがダブルコンプを扱うのに絶対必要だろう、という知識に、どういう時が低速で、どういう時が高速なのか? というのがあります。これは、凹凸路をスコスコとサスが追従する時の動きは高速、素早く左右に切り返す時の動きも高速、急ブレーキでの激しいノーズダイブの時の動きは高速・・と思いきや実は低速、とのことです(つまり最初の二つ以外は低速)。これもネット検索で拾った情報です。

 

 

※今回のまとめ※

 

「なぜこんな機構になっているのか」が分からないと、使いこなし方も分からない!