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GPZ400R キャブレター修理に挑む!!

ノーマルキャブ
これがノーマルキャブ、京浜CVK30です。フラットバルブがイカしてる!!

私のGPZはキャブに関しては特に大きな不調を感じなかったので、しばらくは触らずにそのまま乗っていました。ところがある時、これを外して様子を見てみると・・・

いや、これ結構状態が悪いです。スロットルバルブ(バタフライバルブ)の開度(同調)は目視で4気筒バラバラです。パイロットスクリューの戻し量も0~5回転で4気筒バラバラ! さらによく見ると気筒によって、スロットルバルブが全閉で当たるボア内面がえぐれて段付き摩耗しています。これで乗っててわかんないのだから私もまだまだです。

段付き摩耗
段付き摩耗、おわかりいただけただろうか・・・

しかしCVキャブはアイドリングさせるため全閉でもスロットルバルブは僅かに開いていて、ボア内面には当たらないはずなので、なぜ段付き摩耗が起こったか謎です。この状態では全閉時の隙間が4気筒で不均等になってしまい、まず同調など出ないでしょう。それでも一応オーバーホールをして、目視でスロットルの同調を取って乗ってみると・・・見事にアイドリング不調となってしまいました。キャブ地獄のはじまりです。

つまり、外してみる前の状態はこのキャブをバキュームゲージを使ってなんとか同調を取ったもののようで、その結果として目視でスロットル開度がバラバラ、となったと思われます。バキュームゲージを買ってくれば(うちの本業はバイク屋さんではないのでこの機器は持っていません)元の状態には戻せるでしょうが、これは故障している事に変わりはなく、修理するにはキャブボディを交換するしかありません。

こうなったら例のヤフオクです。キャブA’ssyは汚い物でも相場が高いですね。1万円以上しましたが落札しました。フロート室内などかなり汚かったですが、ボディが使えればまあOKでしょう。この部品取りと、元のキャブと状態のいい部品を組み合わせて2個イチです。完成し、パイロットスクリューを調整し、修理完了、のはずでした・・・。

乗ってみると調子が出ていません。アイドリングは安定していて良くなったのですが、そのすぐ上の回転、開度でボボボッと引っ掛かります。平地から山の方へ登っていくとどんどん悪くなります。明らかに濃すぎます。アイドリングのすぐ上、ということで私はスロージェットを絞るべきと判断しました。すぐに小さいスロージェットを求めてバイク用品量販店に走りました(スロージェットはFCRと同じやつです)。ノーマル標準のジェットが「ババ濃い」とはなんで? という疑問はありつつも・・・。量販店では標準の35番より小さいのは置いていない、と言われ、仕事でお世話になっているバイク屋さんへまた走りました。そこでそもそも35番からしか設定が無い、ということが発覚し、ガビーンとなっていると、「それはスロージェットじゃなくて絶対ニードルジェットがすり減って穴が大きくなってる」とご主人が教えてくれました。

そういえばニードルジェットもジェットニードルも部品取りの方から取りました。これを元のキャブのものに替えたら見事直りました。さすがにベテランのバイク屋さんのノウハウは凄いなあ、ととても感心しました。私はニードルジェットがすり減るなど思いつきもしなかったのです。元のキャブはどこかのタイミングでこれらの部品を新品に替えた様です。というのは、GPZはジェットニードルが外側2気筒と内側2気筒で違うのですが、4気筒とも外側用が入っていて「なんでだろ」と思っていたんですが、調べると内側用が「販売終了」になっていたからです。「販売終了」後にこれらを新品にした、と推察できるのです。

ところでこのご主人はもう一ついい事を私に教えてくれました。「これ買ってみたら?」と薦めてくれたのは“キースター燃調キット”です。皆さんはご存じでしたか、キースター。私は寡聞にして知りませんでした。こんな面白そうなパーツがあったとは・・。これで欠品の内側用ニードルも手に入るし、そのうえ上下にオプションまで!! とフケ上がったところでお小遣いが尽きました。これはいずれ必ず買ってチャレンジしてみたいと思います。