• 静岡県沼津市のバイク特注カスタムパーツ製作工場。GPZ400Rパーツ販売中。

GPZ400R キースター燃調キットを試す! ~その5~

さて、前回までで大分煮詰まってきました。次の4thステップはパイロットスクリュー(PS)を1/8回転締めて1 5/8戻しにしてみます。パイロット系をちょっとだけ絞りたい、という意図です。しかしPSは、あくまでも”アイドリング時の燃調を合わせるためのもの”という認識が私にはあり、この手は出来れば使いたくなかった、というのが本音です。ここまででもパイロットジェット(PJ)を変更するたびPSを調整し直していたのはアイドリング時の燃調を合わせるためですし、逆に言えばPSで調整できるのでPJをガチャガチャ替えてもアイドリング時の燃調は維持できる、という事です。ジェットニードル(JN)領域などの「味付け」のためにPSをいじるとせっかく合わせ込んだアイドリング時の燃調が崩れてしまうのです。まあでもともかくやってみましょう。

これも結構効きました。3000~6000回転のフィーリングがよくなりました。アイドリング時もまあいいでしょう。JN領域以下はこれでOKとしましょう。

あとはメインジェット(MJ)です。1stステップ時の薄い感じが良く思えたので”L”を試しましたが、プラグの焼けも勘案して最終的には”S”を選びました。

それにしてもMJの「官能評価」を一般道でするのはちょっとアブない感じがしますね。高回転でかなりスピードが出てしまうし、その時にエンジンフィーリングに集中したりタコメーターを凝視したりというのは安全面でマズいです。400ccなら場所を選んで、周囲に気を付けながら何とか出来そうですが・・・それが難しいんです。周囲に気を付けると評価が疎かになるので。皆さんも事故にはくれぐれもご注意下さい。事故るくらいなら評価が曖昧な方が1000倍マシです。

完成したので件の高地に持ち込んでチェックしました。やはり調子はやや崩れます。しかし元々の状態よりはいいとは思えるのでこれでOKにしましょう。キャブ車では標高差で燃調が変わってしまう、という事実は覆しようがありません。それが確認できました(笑)。

 

最終セッティング

PJ PS JN MJ
“RR”(#38) 1 5/8回転戻し “L”ワッシャー2枚(t=0.5mm×2) “S”(#102 / #105)

 

話も長かったですが実際の作業はもっと時間がかかりました。バイクをバラして組んで試乗して、のサイクルを繰り返すのです。GPZ400Rはエアクリーナーボックスはそのままでもキャブを外すことは出来そうに見えますが、私は作業の確実性を重視していちいちボックスを外していたので尚更時間がかかりました。エアクリーナーボックスの脱着がかなり面倒なのはやった事がある方にはお判りでしょう。ダクトのゴムの入れ込み不良など、整備ミスの罠もたっぷりです。慎重に作業しました。時間に十分な余裕をもって取り組むことをお勧めします。

今回は自分で「PJは一番初めに決定すべし」と言っておきながら、自らそれを破っているのは本文の通りです。それも時間がかかった原因なのですが、実際やってみるとキースター燃調キットでJNを振るとそれも避けられないかもなー、というのが感想です。又、「セッティング変更は1度に1か所だけにせよ」という鉄則も一部破ってしまっています。一気に正解を狙って、と思ってやりましたが、結果的には「急がば回れ」のオチとなってしまう事が多いかもしれません。あと、最初におことわりした通りこのセッティングデータをコピペしてもあなたのGPZが素晴らしく良くなる、ということは残念ながら多分ないと思います。過程だけでも参考にしていただけたら、と思って書きました。

最後に「大変だったけどとても面白かった!」の感想を付け加えておきます。ご清聴ありがとうございました。