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GPZ400Rのショックユニット その1 ~AVDS~

サービスマニュアルを見て初めて知ったんですが、AVDSとはアンチダイブメカの名前ではないそうです。ずっと勘違いしてました。じゃ何なのか?

"AVDS"
この位置にシールが貼ってあればそりゃ勘違いしますわな。

フロントフォーク内部のフォークスプリングとシートパイプの間に、ちょうどレーステックのカートリッジエミュレーターのような特殊なバルブユニットが挟まっていて、それのことのようです。じゃあそれの名前がAVDSバルブか?! と思ったら、「トラベルコントロールバルブ(TCV)」だって。ややこしいぞ、カワサキ。つまりTCVを組み込んだフロントフォークが“AVDS”ってことでしょうか。ちなみにアンチダイブの方の名前は、単に「アンチダイブ機構」だそうです。(笑)

ではTCVはどんな働きをするのか? というと、カワサキのサービスマニュアルには整備要領が書かれているだけでメカ解説は一切なく、断面図を見ながら想像するしかないのですが、(当時のカタログ等では丁寧に解説されていた模様です。ウェブで見つけたカタログページの写真を拝見しましたが、字が小さすぎて読めなかった・・・)これは圧側減衰をフォークのストローク位置によって可変にするメカのようです。つまり伸び切り付近では弱い圧側減衰が、フォークが沈むにつれて強くなるという仕掛けです。通常のオイルダンパーではピストンスピードによってのみ減衰力が変わるのですが、ストローク位置でも変わる様にした、ということです。(想像)尚、カートリッジエミュレーターはこういう機能をする部品ではありません。装着位置が同じ、ということで引き合いに出したまででして・・・(案外カワサキのTCVをヒントに発想したパーツかもしれません)。

位置依存型、というんでしょうか、確かこの手のダンパーは他社でも色々やっていたような記憶があります。多分リヤがリンク式モノサスになってプログレッシブな特性にできるようになったので、フロントもそれに見合ったプログレッシブ特性にせねば、という意識が当時のエンジニアに働いたんでしょうね。