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GPZ400R ハイスロを付けてみた  ~その1~

これは前々から気になっていた事なんですが、GPZ400Rってアクセルグリップの開度がかなり大きいんですよね。ザックリ測ると90度くらいあります。

確かにこれは小さければ小さいほど良い、というもんではないですが、シビアなスロットルオープンを要求されるような大パワー車ではないし、ましてやバカチョンのCVキャブです。もっと小さくていいでしょう。実際乗っていてもバイクをキビキビ動かすのには意識して大げさにアクセル操作しなければならず、うまくないのです。

よく調べてはいないですがスポーティーなモデルだと普通65~70度前後じゃないですか? 控えめに70度を狙ってお馴染みのアクティブ”ハイスロットルキット”を使ってカスタムしてみたいと思います!

ハイスロキットEVO2
グッと垢抜けた感じの”type EVO2”。ナイスです。付属グリップはTZ風でこれもドンズバ私好み♪

「70度」という数値がそもそも当てずっぽうではありますが、それでもこういう場合でもテキトーなプーリー径をアテズッポーにぶっこむよりは、ちゃんと計算して狙った方が絶対無駄がないですよ。というわけで、つたない算数ではありますが私なりの計算方法を言ってみますと・・・

ノーマルのアクセルグリップのプーリー径はφ32です。下の図の通りアクセルワイヤーの「巻き取り径」は厳密には「プーリー径+ワイヤー線径」なのですが、ワイヤー線径は無視して計算しても結果はほとんど変わりません(誤差はあってもどっちみち選べるプーリー径はφ2飛びだから)。説明がめんどくなるので無視して計算します。

巻き取り径図

φ32で開度90度ということは、φ32の円周長の「90度分」が「アクセルワイヤーの巻き上げ量」ということになります。φ32の円周長に90度/360度をかければ求められます。32×π×(90/360)=25.13mmとなります。このキャブのスロットルバルブを全開にするためにはアクセルワイヤーをこれだけ引っ張る、ということです。この25.13mmを70度で巻き上げるプーリー径を逆算して求めれば良いわけです。25.13÷(70/360)÷π=41.14で、これに一番近いφ42のプーリーをぶっこめば良い、となります。ちなみにワイヤー線径(ノーマルφ1.6、アクティブφ1.2)を入れて計算すると答えは42.0となり(最後にアクティブのワイヤー径1.2を引くのを忘れないで!)、近似のプーリー径はやはりφ42、となります。

ハイスロEVO2
”EVO2”はワイヤーエルボーがホルダーに対して自由に首を振る構造です。これ自体はもちろん良い事ですが、街乗り車ではこのせいで切ったハンドルを戻す時、ワイヤーがどっかに引っ掛かりがちになるのです。走行中にこうなるとマジでコケるのでタイラップ等で十分に対策して下さい。

これを組んで乗ってみますと・・・良くなったと思います! やけに引っ掛かり感のあるノーマルと比べて非常に滑らかな作動感です。開度はさらに65度狙い位でも良かったかもしれませんね。 特にシビアな感じもないですし、キビキビと操れてゴキゲンです。

それよりもむしろアクセルワイヤーの取り回しをノーマルとは変えて、極力スムーズにしたのが良かったです。ノーマルではハンドルを目一杯切るとワイヤーが張ってしまうのでワイヤー遊びを大きく取らざるを得なかったのが、遊びを極少化できたのです。これで大幅に気持ちのいい操作感になりました。こんなことならもっと早くこのカスタムをすれば良かった、と思うほどでした。

新コックピット
コックピットの眺めがすごく変わりました! ワイヤーが浮いた感じの見栄えですがここは機能重視という事で。

しかしこの定番カスタム「ハイスロ化」は、ご存知の通り右ハンドルスイッチも例の「OWスイッチ」的なやつに交換するのが必須で、案外コストがかかるのです。それが早くこのカスタムが出来なかった一番の理由だったりするのです・・・。

 

※※後に「アクセル開度90度」「プーリー径φ32」は、もしかしてもしかしたら私のバイクだけかも、という事が発覚します。この事は次回書きます※※