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GPZ400R 社外リヤショックを買う! ~その11~

前回の続きです。いよいよ、やっとYSSを付けて走り出します。

車高のバランスは当てずっぽうではなくデータに基づいて出したものなので、もちろんこれでいいです。しかし減衰力が強すぎるので「伸側アジャスター」を弱めます。伸も圧も強い感じですが、この伸側アジャスターは「通常タイプ」なので弱めれば圧側もいい塩梅に弱まってくれるはずです。逆に伸側のポジションが全然外してるのに先に圧側をいじって決めこんでしまうと、後で伸側をいじった時に圧側減衰も変わってハマります。まずは圧側アジャスターは無い物と思って伸側アジャスターで全体的な減衰力の強さを決めていくのがいいでしょう。結果標準の15ノッチ戻しから24ノッチ戻しになりました。圧側はそのあと抜いたりかけたりしましたが、高速も低速も標準の15ノッチ戻し付近がちょうどいいと感じました。ということはYSSが設定した伸圧の減衰力の比率はいい線だ、と言えるのではないかと思います。これなら減衰アジャスターが伸側だけの「MZ456」でも良かったかもしれません。

ところでこの「伸側アジャスター」を弱めると、体感的な「動的車高」がすごく下がったような感じがします。本来これは逆です。伸側を弱めるとサスを縮んだ状態に保持しようとする力が弱まるので、動的車高は上がるはずです。これはやはりこのアジャスターが「通常タイプ」なので圧側も同時に弱まるから、ということでしょう。思いのほか圧側減衰への影響が強い印象です。

この“減衰調整で(体感的な)車高が変わる”というのがけっこう混乱するのです。減衰アジャスターを弱めて「良くなった」としてもそれが減衰力が弱くなったせいなのか、車高が下がったせいなのかだんだん分かんなくなってくるのです。よくありがちなのが逆にこれを利用して減衰アジャスターを“車高セッティング”に使ってしまおう、的な発想ですが(こっちの方がいじるのが楽だから)、これはハマる原因になると思います。しまいにはわけ分かんなくなります。実は私も途中でそれっぽいことをやってしまいました。(こういう時は元に戻せば良い)

乗車1G沈下量=リバウンドストロークを増やした訳ですが、これはやはりこっちの方が「公道向き」でいいですね。荒れた路面での追従性が良くなったのが実感できます。車両のキャラクターに合っている、ということでしょうか、リヤサスが良く動くのが伝わって来て生き生きと積極的に操れる感じです。

しかしやっぱり気になるのは前回の話題、“ホイールトラベルの短さ”です。案の定走る度にバンプラバーに必ずぶち当たっているのです。この場合は根本的にホイールトラベルが足りないせいで、ばねレートが低すぎるからでは無いでしょう。不思議と(今のところ)乗ってて「こらあかん」と感じるほどではないのですが、試しに伸側減衰アジャスターを目一杯弱めてみると、コツコツとはっきりとした「底づき感」が伝わってくるようになりました。

バンプラバーまで70mm足らずのホイールトラベルのうちリバウンドストロークに40mmを割いているので、縮む方向にはたった30mmほどしかストロークできないのです。ショックのストロークを伸ばす改修ができればいいでしょうが、あくまでこのストロークでセッティングをまとめようとするなら考え方を変えた方がいいかもしれません。それはリバウンドストロークを(泣く泣く)削ってその分少しでも縮む方向のストロークを稼ぐ、つまりもっとイニシャルをかけて、その分ショック長を短くして(“車高調”を縮めて)車高を補正する、という方向性です。

これではノーマルショックに初期エア加圧パンパンの状態に逆もどりで、本来私が目指したものではないのですが仕方ありません。次回はこれを試してみましょう。

 

 

※今回のまとめ※

 

社外ショックは、安易な考えでいじるとハマる!!

 

やっぱ問題になった!! “ショートホイールトラベル”。