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GPZ400R 社外リヤショックを買う! ~その13~

前回まででYSSデフォルトの“ショートホイールトラベル仕様”で色々試してみました。ストロークが短いのが分かった時点で考えてはいたのですが、やはり私としては当初の計画通り乗車1G沈下量40mmで使いたい、ホイールトラベルはもっと取りたい、という希望なのでここでいよいよショックのストローク延長改修に踏み込もうとの決断に至りました。

私の希望としてはショックのストロークを15mm伸ばしたいです。ショック長を現状キープしたままで・・・は恐らく難しいだろうし、出来たとしても費用がかさむでしょうからそれは最初から諦めて、ショック長も15mm伸びてしまうのは許容する、というプランです。私も加工屋の端くれです、ショック長は後で私が何とかしましょう!(目途は立ってます)

改修が可能かどうか?をYSS JAPANさんに問い合わせてみると、出来そうな手ごたえです! 曰く、通常オーバーホール工賃+部品代で出来るでしょう、 ただし寸法的にそれが可能かは分解して調べないと分からない、そして結果不可能だったとしても通常オーバーホール工賃がかかります、とのことでした。ま、それは当然納得なのでまずはショックを送りました。

ここで他のちょっとした問題が起こります。写真の様にショックのリザーバータンクを取り付けると、ホイールトラベル増大によって、サスの稼働で上がってきたリヤキャリパーとこのリザーバータンクが当たってしまうのです。

リザーバータンク

リザーバータンクを移設するのが普通の考え方でしょう。しかし意外にうまい場所は見当たらないです。まるっと車体左側に移設するのが一番シンプルなやり方に思えます。これをやるにはショックを改修に出す時、いっしょにリザーバーホースの取り出し方向を逆に組み替えてもらわなくてはなりません。しかしまた問題があって、このやり方にするとセンタースタンドのアシストグリップが掴めなくなってしまうのです。センスタを外している人なら何の問題もないでしょうが・・・。

私はリヤキャリパーの方をアクスル下に移設することにしました。キャリパーは“カニ”に交換です。たかが部品干渉の解消に何たる大げさでハイコストな方法!! しかしこのカスタムはサス問題とは別に、商品開発がてら前々からやろうと思っていた事だったのです・・・。

旧カニ
あえて、の「旧カニ」、あえて、の「金」です!
リヤマスター
マスターシリンダーも替えました。このブレンボ製、Φ11の径も良さげで値段も安いので飛びついたのですが・・・
ブレーキペダル
これ付けるのが大変!!マウントアダプターやらプッシュロッドやら難しいものをワンオフしたあげく、ペダルに戻り側のストッパーを増設する羽目に。このマスターはプッシュロッドが刺さっているだけで抜け止めが無いので、こういう機構が必要なのです。
リヤキャリパーブラケット
そしてこうなった!! このキャリパーブラケットは近日発売します!

さて分解して計測してもらった結果、当方希望の15mmストローク延長は無理で、10mmまでだ、しかし5mm薄いバンプラバーがあるのでそれを組み込んでみたら?という返答がありました。無理な物は仕方ないのでそれでお願いしました。

10mm延長だとリヤホイールトラベルは、バンプラバーが無い物として多めに見積もっても「120mm弱」といった所で依然として短めではあるのです。しかし実は私の予定しているセッティングでは、標準の75N/mmスプリングだとしても10mmの延長でもまあ十分だろう、ということが計算上分かっていました(薄型バンプラバーを使わなくても)。「15mm延長」は、出来れば標準的なホイールトラベル、130mm内外にしておきたかった、それだけあればセッティングを振りたくなった時の余裕にもなる、という気持ちからオーダーしたもので、実際には10mm延長でも私の使用条件では全く問題は無いのです。

延長を10mmにとどめるのにはとてもいい事もあります。ノーマルショック長305mm、私が使いたい長さが310mmなのですが、15mm延長するとこれが車高調を最短にしても315mmになってしまうので、私は車高調の、ねじで別体になる部品、エンドアイならぬ「クレビス」の短縮版を自作して対処しようと考えていたのです。幸い車体側には短縮する寸法的余裕があります。(8mm位は行けそう。)が、10mm延長ならクレビスはそのままでも車高調最短で310mmになるのです。(ナイス!)それ以上短くするセッティングは選べないですが・・・そうなったらその時に「特製クレビス」を作れば良いのです。

「リヤブレーキ」はけっこうな手間仕事ですが、これらのプランをすべて実装出来たらいよいよまた再び走り出せます。が、気がつけば今度はフロントタイヤがそろそろ寿命に。嗚呼・・・

 

 

 

※今回のまとめ※

 

スペシャルオーダーで“自分仕様の1本”をつくる! 社外レーシングショックの醍醐味!!