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GPZ400R 社外リヤショックを買う! ~その10~

さて、長々と屁理屈をこねたところでいよいよ社外リヤショック、「YSS MS456」をGPZ400Rに付けてみましょう!

と、その前にお詫びと訂正が・・・。私にとって意外な盲点がございまして、それは「タイヤはすり減ると、外径が小さくなる」という事実であります。特に私が履いているダンロップ アローマックスGT601のリヤはトレッドのゴムがぶ厚いタイヤで、新品時のセンターの溝深さは8mmほどもあります。これが例えば2mmにまで減ったとするとタイヤの半径が6mm小さくなったことになり、つまりリヤの「地面からの車高」が6mmも低くなることになるのです。減ってく方は徐々になので私などは気付かないのですが、これを新品タイヤに履き替えるといきなり車高が上がってギョッとするのです。・・・つまり今まで公表してきたノーマルショックでのセッティングデータは、新品リヤタイヤに対してはちょっとリヤの車高が高すぎるのでは、ということが発覚したというわけです(スイマセン。)現在私のバイクはリヤタイヤを替えたばかりなので、以後のYSSのセッティングはそれを踏まえてやや車高を低めにおさえたのを目指したものになります。

フレームクリアランス
取り付け上の注意:「ショックの肩」とフレームのバッテリーボックス受け部とが当たってしまいます。対策が必要です。
フレーム加工
このようにフレームを削りました。やすりで十分可能な加工ですが、バイクをここまでバラすのが面倒です。

ところで今さらですがこのGPZ400Rのリヤサス、「ユニトラック」のレバー比(モーションレシオ)はどれ位でしょうか? 仮組みしたバイクを巻尺でざっくり測って計算すると伸び切り時に1.9:1位です。組付けたYSSの“車高調”を5mm伸ばすと0G車高が丁度10mm高くなるのでそれからすると2:1になります。まあこんなもんでしょう。で、YSSショックのストロークはいくつかと言うと、バンプラバーが無い物として約51mmです。という事はリヤホイールトラベルはレバー比が2:1だとして、あれ? 102mmしかないことになります。バンプラバーに当たるまでだとたったの72mmです。これはノーマルの公称ホイールトラベル130mmに比べてかなり短いです。実車のユニトラックはサスが沈むにつれてレバー比は1:1に近づく様に変化するので、実際にはもっと短いという事になります。これ大丈夫なんでしょうか・・・。

YSSダンパー
かなり短かったストローク・・・

確かにこのショックは「GPZ600R用」ですから、もしや600Rと400Rでレバー比が違うのか?とも思いました。しかしこの2車はリンクアームとプルロッドに互換性がある事を確認しているので、リンクの設定は一緒だろうと私は踏んでいます。フレーム/スイングアーム側のポイントが違う、という事は考えられなくはないですが・・・。しかしリンクの部品が一緒なのにレバー比をわざわざ変えている、というのはやはり考えづらいので、この2車のレバー比は一緒だろうと私は思っています。

YSSにはYSSなりの考えがあってのこの設定なのでしょうし、ロードレーサーなどは機構上のホイールトラベルはもっとあったとしても実際に使うストロークはこの程度なのかもしれません。とりあえず付けて走ってみましょう。

乗車1G車高“358”をタイヤ摩耗の件を踏まえて“355”に、この時の沈下量が40mmを狙ってセッティングします。YSSの推奨が50mmのところこれを40mmとしたのは「ノーマル標準セッティングがこれくらいだったから」です。これでも今までの26.5mmよりだいぶ大きいです。(YSSの取説は新版と旧版でこの推奨値がかなり変わっています。40mmは旧版推奨値に近いものになります。旧版取説はウェビックのネットショップでダウンロード出来ました。)

まず40-26.5=13.5から358-355=3を引いた10.5mm 0G車高が上がるように車高調を伸ばして組んで、次にイニシャル調整で乗車1G沈下量が40mmになるように調整すれば良い訳です。車高調+5mm(これが調整幅の中の最長だった)、イニシャル12.5mmで大体この辺に来ました。これで走り出しましょう。

・・・しかし今回は走り出す前の話が長すぎました。続きは次回に。

 

 

※今回のまとめ※

 

意外な展開! ホイールトラベルがやけに短いのは大丈夫なのか?!