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GPZ400R 社外リヤショックを買う! ~その3~

さて前回の計測でノーマルショックでの「車高」と「1G沈下量」のデータが取れました。私のGPZ400Rではこんな数値になっていました。

 

伸び切り 0G 空車1G 乗車1G
フロント 136.5 132 (4.5) 97.5 (39) 81 (55.5)
リヤ 384.5 384.5 (0) 376 (8.5) 358 (26.5)

※カッコ内「伸び切り」からの沈下量。

※セッティングは標準ではありません。F初期エア加圧0.55kg/㎠(標準0.6)、R初期エア加圧2kg/㎠(標準0)。

 

あれれ? 2年程前に測った時と比べてリヤの1G車高がちょっと低くなってますねぇ。リヤショックユニットの使用に伴うヘタりでしょうか。でもこれが現状の計測値なので、これを元に以後の話を続けることにします。

「384.5」とかいった数値自体は私がテキトーに設けた計測ポイント間の距離なので意味は無いです。が、もちろんショックを替えた後もいつも同じ計測ポイントで測らないとダメですよ。1G沈下量は社外ショックの取説では「0G」からの沈下量で指示されています。煩わしいのでそうしてるのかなあ、と思いますが、私は考えた末一応自分としては「伸び切り」からの沈下量での数値管理とすることにしました。例のトップアウト君が入っていると0Gの車高(上の表の“132”という数値)はイニシャルの多寡で変わってしまうからです。もちろんショックメーカーの指示は「0G」基準だという事は頭に入れておかなくてはなりません。

乗車1Gの車高、表の“81”、“358” という数値は、私が乗ってみて好ましいと思っている「走行中のバイクの車高」なので、要はショックを替えた後もこの数値になる様にセッティングすれば良い、という事になります。(サスペンションの第一の役割のセッティング)

「乗車1G沈下量」はどうでしょうか? この数字の大きさはサスペンションの第二の役割、路面の凹凸にどれだけ追従できるか?に関わってきます。乗車1G沈下量、とは逆に言えば乗車1Gからどれだけサスペンションが伸び上がる事が出来るか(”リバウンドストローク”と言ったりします)、ということです。路面の凹に追従しようとサスが伸び上がっても、伸び切ってしまったらそこで打ち止め、ノーサス状態です。タイヤは一瞬路面から浮き上がってコーナリング中であれば下手すりゃコケます。なので1G沈下量が多い方が大きな凹に対応できる、と言えるわけです。

YSSの推奨値では「ストリートセッティング」と「レースセッティング」と分けて設定されていて、レースの方が1G沈下量が少なくなっていますが、これを見て「飛ばす人はハードに締め上げた方がいいんだ」などとは考えない方がいいです。これはサーキットの路面が公道よりはるかに滑らかだからそういうセッティングが選べるんだ、と理解した方がいいと思います。リバウンドストロークが大きいと確かに乗り心地が良く、反面ふわふわとダイレクトさが削がれるような感じはします。しかしこれは基本「走るステージの凹凸度」で決まる事です。いくらダイレクトでシャープがいいと言ってもタイヤのグリップが無いのでは致命的に“遅い”です。

逆にいくら乗り心地を良くすると言ってもオンロードバイクの短いサスストロークで工事現場の穴ぼこにまで対応しようとするのはどだい無理な話でもあります。ストロークをうんと伸ばせばソフトなスプリングでこれを吸収できるでしょうが、つまりこれがオフ車のアシです。オンロードバイクとは走る場所を舗装路に限定することでサスストロークを切り詰めた乗り物なので、結局対応する凹凸の大きさに上限を設けているのは確かです。

じゃあ私のバイクの1G沈下量はどうなってんの? と見ると・・・ハハハ。リヤはこりゃバリバリの“レーシングセッティング”ですな。(汗)・・・次回に続く。

 

 

※今回のまとめ※

 

危険!! コーナリング中の“ノーサス”は「即転倒」!!

 

ノーサスの3大要因、その1「伸び切り」。

 

公道のバンピーさはサーキットとは次元が違う! 公道舗装路=半オフロード!