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GPZ400R 社外リヤショックを買う! ~その2~

さあ、張り切って買った社外ショックを付けちゃおう! の前に、ノーマルショックを付けた状態での、前回言った「車高」を測っておきましょう!! これは車両メーカーの意図した標準の車高を把握しておく事の他、現状良く走るセッティングになっているなら、ショックを替えてもそれに近い車高で始めた方がいいに決まっているからです。

静止したバイクを直立させてまたがると、バイクとライダーの重さでサスペンションがいくらか沈んだところで止まります。これはおおむね走行中のバイクの、基準となる車高と見なせます。ここから走行中には荷重移動等でサスが沈んだり伸びたりしますが、その動きの起点、ニュートラルなポイント、という事です。この状態を「乗車1G」と呼びます。この車高を測って数値として記録しておきます。これは前回書いたサスペンションの「第一の役割」に関連する寸法です。

計測ポイント
リヤアクスルの真上付近にテキトーに計測ポイントを設けて・・・
リヤアクスル
こんな感じに・・・まあショックの取説に書いてある通りです。この計測には自分を入れて最低二人、出来れば3人の人が必要です。
Fフォーク計測
フロントはアンダーブラケット下面からダストシールリップまでの距離が測りやすいです。

ちなみに豆知識を自慢げに披露させていただくと、ウイングなど付いてダウンフォースがかかる乗り物の場合、この「乗車1G=走行中のニュートラルな車高」の関係が崩れます。実際の走行中にはダウンフォースが加わるので乗車1Gよりさらに少し沈んだところが走行中のニュートラルな車高、となるのです。さらに車速が変わるとダウンフォースがどんどん変わるというめんどくささも加わります。この様なバイクでサスセッティング道に入門しない方がいいと思います・・・。

さて、この計測の時に、乗車1G時にどの位サスペンションが縮んでいるかも測っておきます。バイクをばね上でジャッキアップしてタイヤを浮かせ、サスを伸び切らせます。この状態は「0G」と呼びます。この0Gの車高を測り、先ほどの乗車1Gの車高を引き算すれば求められます。「乗車1G沈下量」等と呼びます。これはサスペンションの「第二の役割」に関連する寸法となります。

センタースタンド
センタースタンドがあれば”0G”が簡単につくり出せます。私はこの装備は手放せません!

ちなみの話をもう一つすると、「サスを伸び切らせ」と書きましたが正確には0G=伸び切りではないです。リバウンドスプリング、今では源氏名が変わってトップアウトスプリングと言うそうですが、そういう部品が内蔵されているショックユニットがあり、早い話が(メインの)スプリングによって伸び切ろうとするサスを、伸び切らせまいとして反対方向に踏ん張っている他のばねなのですが、これが入っているショックユニットは自由長(0G)=伸び切りではないのです。真の伸び切りは自由長の状態からグーッと引っ張り伸ばして止まった所です。トップアウトスプリングはフロントサスには昔からほぼ必ず入っています。リヤは昔は入ってなかったはずですが、最近の高級ショックには入っている事があります。YSSは・・・入ってます。トップアウトの話はまた別の機会に掘り下げましょう。

私はこの「真の伸び切り」の車高も押さえておきます。0G状態からホイールのリムをギューッと踏んづけてサスを伸ばして測ります。ノーマルのリヤは伸びないはずです。

社外ショックの取説にはこの様なやり方が説明されており、もう一つ、ライダーが乗らない状態の、バイクだけの1Gも測るように指示されています。これは「空車1G」と呼びます。空車1Gは走行中のバイクの姿勢とは関係ないはずですが、取説には空車と乗車のそれぞれの1G沈下量の適切な値の目安が記されていて、これを見比べれば“ばねレート”選定の参考になる、という事なのではないかと思います。

今回は「取説の説明」みたいな内容になってしまいました。詳しくはショックメーカーの取説をよくお読みください!

 

 

※今回のまとめ※

 

乗車1G車高=走行中のバイクの基本姿勢。→サスペンションの第一の役割の肝!

 

1G沈下量はサスペンションの第二の役割、路面追従性に深く関わる。