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GPZ400R キースター燃調キットを試す! ~その1~

キースター燃調キット、是非とも試してみたかったのですが、ついに買いました!

このキットはどんな物かという事をザックリ説明すると、オーバーホールに必要なキャブレターインナーパーツのセットに、番数違いのメインジェット(MJ)6種、ジェットニードル(JN)4種、パイロットジェット(PJ、ケイヒン名は「スロージェット」)3種のセッティングパーツを加えた、各車種専用の大変お得なキット、ということになります。対応車種も何百機種と豊富で、もちろん我らがGPZ400Rもありました!「この盛りだくさんの内容で4,000円とはバカ安!!」と驚いたのですが、これは1キャブ分の値段で、1台分だと16,000円となります。それでもかなり安いですね。

キースター燃調キット

さて、キースターのホームページでキット内容を確認すると、ノーマルとの違いが2点ほどありました。一つはスタータープランジャーの形状の違いで、ノーマルには有る先端の細い棒状の部分がキットのものにはありません。もう一つはスタンダードのMJの番数で、ノーマルが外側気筒#102、内側気筒#105に対してキットはどちらも#105となっています。

この点を電話で問い合わせると、スタータープランジャーに関しては「この仕様で問題ない」という判断で、長年これで売っているが問題も起こっていない、とのことです。MJの方は気になる様ならオーダーフォームの備考欄にその旨記入すれば#102をスタンダードにしたセットを組んで出荷してもらえるとのことで、私はそうさせていただきました。

組み込んでみて気付いたことを細々書いてみます。まずスタータープランジャーですが、これは4連キャブの連結を解いてバラバラにしなければ外す事ができません。面倒ですが、キットにも入っている燃料配管やエアベントのキャブ間ジョイントのOリングを交換する為にもどっちみちバラさなければなりません。経験上このOリングはたいがいダメになっているので、こういう機会に替えた方がいいでしょう。ただ残念なことに2-3番間の燃料ジョイントのOリングはキット同梱の物とはサイズが違うので使えません。事前に別途買っておいた方がいいです。:カワサキ純正92055-1223 ×4本

あと、ニードルバルブですが、これの自由長には個体差があるので(キットの物はノーマルより僅かに長いように思いました)交換するとフロートレベルが変わってしまい、再調整が必須となります。ちなみにさわりで書くとフロートチャンバー合わせ面からフロートの丸の先端まで17.0mmがカワサキのサービスデータです。詳しくはサービスマニュアルをご覧ください。キースターのニードルバルブは大変高品質なゴム材を使っているそうなので、やはり面倒を押してでもぜひとも組み込みたいパーツです。

そんなこんなですべてスタンダードの”S”のパーツを組んで完成させました。ここまでバラすともちろん同調とか色々な所を調整し直すのですが、その辺ははしょります。乗ってみるとハッキリ分かる位調子が良くなりました。音まで静かです。今まで「なおったなおった」と喜んで乗ってましたが、完調にはほど遠かったのだと思い知らされました。私のキャブはスターター回路のリークがクサく、プラグが黒くくすぶっていたのでスタータープランジャーも入っているセットで良かったと思いました。ただ、プランジャーの形状の違いからかスターターを引いた時の燃調はやや濃すぎるようで、そのままアイドリングさせているとエンストするので、エンジンがかかったらすぐスターターを全戻しした方が良さそうです。(すぐに全戻しするとそれはそれでエンストするのでしばらくアクセルをあおり続けなければならない)

セッティングパーツを使った丁々発止はまだやっていません。その話を期待した方はすみません。キャブいじりにばかりかかり切りになれない事情もありまして・・・しかしすべてノーマルの私のバイクでも個体差に合わせ込んでキャブセッティングを詰める余地はあるでしょうし、マフラーやエアクリーナーを変えたならなおさらです。その時にはセッティングパーツが威力を発揮してくれるでしょう。楽しみです。