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GPZ400Rのショックユニット その4 ~セッティング~

サスセッティング中
写真のバイクはカスタムしてありますが、本文はノーマルの時に施したセッティングの話です。

さて、ご批判覚悟で実際にサスセッティングをしてみましょう! バイクはD3型でウオタニSPⅡ以外ノーマル、タイヤはアローマックスGT601で内圧は前2kg/㎠、後2.25kg/㎠、というのが基本情報です。

このバイクの外部からいじれる調整部分は、前後の初期エア加圧、リヤの減衰力(4段階)、そしてフロントのアンチダイブ強さ(3段階)、以上です。フォーク突き出し(フロント車高)は標準位置から動かせません。エア加圧バルブの実装上の都合でそうなってます。

少なっ! って思いますか? でもこれ位絞られていた方が難しくないし、いじり壊して変なバイクにしちゃう危険も少なくていいかもです。調整範囲で好みのところを見つけたら、後は乗って遊ぶ! って位のライト感覚でいいと思います。レースしてる訳じゃないんで。

初期エア加圧調整は≒イニシャル調整と言いました。イニシャルを変えると実走状態でのサスの使っている位置が上下に変わります。車高が変わるということです。つまり車体姿勢を前上がりにしたり後ろ上がりにしたり、はたまた全体的に上げたり下げたり、といった調整ができるわけです。一方で乗って感じる伸び切り付近の硬さ、言い換えれば1Gの沈下量には望ましい値があるので、車高を狙うあまりこちらを大外しすると弊害が出てきます。メーカー指定範囲を守っていじる分には大外しまではしないと思いますが・・。ほんとの“車高調”が付いていればそれらはそれぞれ単独でいじれる、ということになります。もちろんGPZには付いてません。(フロントも!)メーカーが決めた基本の車高をベースとして、イニシャルで微調整、といったイメージになりますが、ノーマルはこれでいいと思います。

フロント初期エア加圧のメーカー指定調整範囲は0.5~0.7kg/㎠、標準0.6です。なので今時ナウくないからといってゼロ加圧で乗ったりしたらダメです。極端にノーマルからスプリングイニシャルを抜いたのと同じ事になります。良いことは何も無いです。空気は必ず入れましょう!  私は標準で丁度いいです。アンチダイブは今時ナウくないので(冗談です)最弱のポジション1で。標準も1です。

リヤ初期エア加圧の調整範囲は0~2kg/㎠、標準0です。測ってみると0と2キロでは1G沈下量が20mmほども違うのでこれはかなりの車高調整効果があります。私は最強の2キロで好みの回頭性(曲がる感じ)を得られました。交差点など低速域の素直さではノーマルセッティングに分がある様で捨てがたいのですが、ペースを上げていくとこちらの方が断然曲がります。もちろん足付き性は悪くなります。2キロは本来二人乗り用の設定ということも分かってはいますが、私はアリと考えました。2キロ加圧時の1G沈下量は、空車で5mm、乗車で20mm位です。(ライダー体重70kg)それほど突拍子もない数字でもないと思いますがどうでしょう。確かに公道用としてはちょっと硬いです。悪路やウエットには弱い面があるかもしれません。ですがここは欲しい車高との妥協となります。

手順としては0と2キロを先ず体感し、間の落としどころを探る、というのが分かりやすいかと思います。ちなみに2キロと1.9キロでは意外なほど乗った感じが違います。その落としどころとは1.95キロあたりかもしれません。このバイクの正体は、フロントホイールトラベル140mmを生かして悪路走破性の高さで敵の近代レーサーレプリカをぶっちぎる、というものなので(笑)悪路での接地性の低さは実は無視できないものがあります。(笑)

リヤ減衰力は標準のポジション2。3では強すぎていいところが無かったです。

結果、リヤ初期エア加圧以外標準セッティングに落ち着きました。さすがメーカーがテストして決めただけあって標準セッティング、よく出来ていると思います。35年前にしてこの完成度、古色蒼然で乗れたもんじゃないなんてことは全然ないです。これが私にとって大きな発見でした。

尚、このバイクはフロントブレーキをカスタムしたりするとアンチダイブの効きが変わるので、それに合わせて再セッティングが必要になると思います。この件はキャリパーブラケットキットの説明で取り上げていますのでご参照ください。