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GPZ400R 社外リヤショックを買う! ~その6~

さて、特製治具「ヒッパリ君」ができたところで無事に届いたリヤショック、「YSS MS456 GPZ600R用」を、例のトップアウトスプリングの件を踏まえて色々測ってみましょう!!

緩衝器治具
正式採用:5式1號緩衝器治具
通称:ヒッパリ君

このメーカーは標準セッティングのデータの記載は取説にはどこにも書いてありません。恐らく出荷状態が標準セッティングという事でしょうから、ガチャガチャいじってしまう前にこれを調べてメモっておかなくてはなりません。ちなみに3つあるダンパーアジャスターは全て「全31ノッチ中最強から15ノッチ戻し」になっていました。ばねレートは75N/mm(7.65kg/mm)です。

まずは引っ張り伸ばさない状態の自由長を測ると公称寸法の305mmピッタリで、これはGPZ400Rのノーマルリヤショックと同じです。GPZ600Rと400Rはこの自由長の他上下の取付部の幅等も一緒の様で、そういう意味では問題なく取り付けられるはずです。ショックからスプリングを外して測ると自由長は0.4mm程短くなるので確かにトップアウトスプリングは入っています。さあこれを「ヒッパリ君」で伸ばすとどのくらい伸びるでしょうか?

「305.1mm」です・・・。スプリング付きの自由長から0.1mmしか伸びません。という事はこのショックはスプリングを組んだだけでほぼトップアウトは縮み切って(つまりショックは伸び切って)しまう、という事になります。このトップアウトは単純に「伸び切り時のバッファー」で、メーカーの説明通り「伸び切り時の衝撃を緩和する」働きをしているだけなのでしょう。伸ばしてもせいぜい0.1mmだったらこのトップアウトの事は無視して事を進めても特に問題はないでしょうね。お騒がせしてスイマセンでした・・・。

出荷時のスプリングイニシャルは14mmでした(引っ張り伸ばした状態で)。

ここまで話すとノーマルフロントフォークのスプリングの事も書かないとマズい雰囲気になってきました。フロントはだいぶめんどくさいですよー。(ZX400-D3までのフォークです。)

このスプリングは「0.35kg/mm-0.7kg/mm」の2段レートです。ご丁寧にパーツリストにそう書いてあります。計測誤差はあるとは思いますが、2段目の0.7kg/mmに切り替わるのはこのスプリングがおおよそ110mmほど縮んだ辺りだと思います。イニシャルは「真の伸び切り」時に30mmなので、110-30で真の伸び切りから80mmストロークしたところで2段目に突入することになります。

例えば「このフォークの140mmストローク時のコイルスプリングのばね反力を知りたい」となった時、2段レートだとここまで調べないと計算できません。めんどくさいです。

ところがめんどくささはここで終わりではありません。このフォークには「AVDS」の心臓部となる特殊なデバイス、「トラベルコントロールバルブ(TCV)」というのがフォークスプリングと積み重なるように入っていて、この外周部のばねもフォークスプリングの一部として機能しているのです! このばねはTCV本体にイニシャルをかけてセットされているので、ある荷重がかかるまでは縮み始めず単なる“カラー”です。それが縮み始めて“フォークスプリングの一部”となるのはメインのスプリングが2段目に突入した直後あたりじゃないか?と計算で出ました。メインのスプリングの2段目とTCVのばねを総合したばねレートは恐らく0.65kg/mm位かと思います。(コイルスプリングは縦に2つ積み重ねて使うと硬くなる、のではなく柔らかくなります。例えば10kg/mmのスプリングを2つ積み重ねるとばねレートは20kg/mm、ではなく5kg/mmです。)つまりこのフォークのコイルスプリングは実質「0.35kg/mm-0.65kg/mmの2段レート」と言えるわけです。

さらにめんどくささはここで終わりではありません。「テレスコピックフロントフォークはみんなセミエアサス」なので、エアスプリング成分もあります。たとえコイルスプリングがシングルレートだったとしても、このエアスプリングのように後半にばねレートが立ち上がるばね特性を総合では持たせておかないと、テレスコピック式フロントサスのバイクはそのサス特性上「マトモには走れない」ということをぜひ知っていてほしいと思います。

・・・と、ここでエア室容積を測った結果と、それによるばね特性の数値を堂々と公開する予定でいたのですが・・・その時間を取れぬまま今日まで来てしまいました(また計測用の治具を作るつもりでした)。それはまた後日ということでご勘弁ください。

 

 

※今回のまとめ※

 

YSSリヤショック(MRシリーズを除く)のトップアウトスプリングの存在は、無視して考えて良さそう!

※※追記※※ 後日200kmほど走行後に外して引っ張ってみると0.5mm程伸びる様になっていました!! 「馴染み」「アタリ」がついた、ということでしょうか。ウレタンばねはコイルスプリングの様な明確な座屈が無いのでこの辺が曖昧になるようです。これをどう考えるか・・・難しいです。

 

フロントフォークは、めんどくさい!!